寒さに強いクリスマスローズは、冬に花が咲きます。地植えなら冬の寂しい時期にお庭を彩ってくれる貴重な存在ですね。
しかも、地植えするとメンテナンスが必要ないので、手間がかからないというメリットがあります。
しかし、冬になったのに花が咲かない…。というお悩みをよく耳にします。
クリスマスローズが咲くのを楽しみに待っていたのに、咲かない…。悲しいですよね?分かります、その気持ち。
なぜ地植えしたクリスマスローズが咲かないのか?その理由は6つあると言われています。
そこでこの記事では、その6つの理由と対処法をまとめています。
また、以前の記事で種まきの時期、種から育てて開花するまでの管理の仕方を紹介しています。ぜひ合わせてご覧ください。
クリスマスローズの地植えが咲かない理由
地植えしたクリスマスローズが咲かないのはなぜなのか?それは、主に6つの理由が考えられます。
ここではその6つ理由と対処法を合わせて説明していきます。
肥料切れ
まず考えられる理由は肥料切れです。これは植えてから時間が、経過している場合によく起こる現象で、忌地現象(いやちげんしょう)または、連作障害と呼ばれるものです。
周辺の土の養分を吸い尽くした状態になっています。土を新しく変える必要がありますね!
対処法は別の場所に植え替える事です。他に植える場所がなければ別の場所の土と入れ替えをしましょう。
肥料切れなのかどうかは、葉の状態をみると判断することができます。
葉全体または、一部が黄色く変色しているなら、肥料切れの可能性が高いでしょう。
根が巻いた状態で植えている
鉢植えから地植えした際に、根幹をある程度しっかりほぐさないと、土中にうまく根を張ることができません。
入手した苗は春のうちは2~3割の根をほぐして、夏まで涼しい場所で管理し、秋になったら全体をほぐして、半日陰になる場所に植えるのが正しい地植えの方法です。
地植えしたのに株が大きくならない、または弱っている状態なのであれば、もう一度植え直しましょう。今度はしっかりと根をほぐしてくださいね。
日光が不足している
日陰でも育つとはいえ、日光が不足すると葉っぱばかりになり、花がつきにくくなります。
この場合は、もう少し日の当たる別な場所に植え替えるほうが良いでしょう。半日陰になる場所がベストです。
苗がまだ若いまたは株分けしたばかり
苗がまだ小さいうちに地植えしたことで、十分に地中に根を張れていない可能性があります。
それから、クリスマスローズは咲きやすさに個性があると言われています。
同じように管理しても、2年目で咲く事もあれば、4~5年目にようやく開花を迎える場合もあります。
そういった理由も考えられるので、あなたのクリスマスローズは、咲きにくい苗だったのかもしれません。この場合は、待つしかありません。
そして、株分けしたばかりの株は若返ると言われています。株分けしたばかりであれば、同じように数年待つことも必要です。
いつ咲くのか分からないとなると、ヤキモキしますが、そんなに簡単にはいかないところも、クリスマスローズの魅力ですね。
大株になりすぎた
地植えをすると年々大きくなって、たくさん花を咲かせるようになります。
しかし、急に花が咲かなくなったり株の中心がはげてきたりといった状態なら、大株になりすぎた可能性が高いです。
葉が小さい、葉の色が薄いのは、養分が行き届かなくなったサインです。この場合は株分けを行うのが良いでしょう。
燥しすぎている
いくら乾燥に強いと言われている、地植えのクリスマスローズでも、日当たりの良すぎる場所に植えていると乾燥しすぎてしまいます。
日当たりの良い場所に植えていて、傷んでいる葉があるようなら、乾燥しすぎている可能性が高いです。
枯れてしまう原因でもあるので、別な場所に植え替える方が良いでしょう。ベストは、半日陰になる場所です。
乾燥しているなら水やりしたら?
地植えのメリットは水やりがいらない事なのよ。
メリットを活かすなら植え替える方がいいってことか!
クリスマスローズを地植えから株分けする方法
ここまでクリスマスローズを地植えで育てる際に、花が咲かない理由とその対処法をお伝えしました。
花を咲かせるためには、植え替えもしくは株分けが必要になる場合が多いことが分かりました。
植え替えについては、庭に植え込んだ際にやっているので、お分かりかと思います。
そこでここでは、株分けの方法について説明していきたいと思います。
「まだうちのクリスマスローズはそこまで大きくないから大丈夫~。」と思っている方もいるでしょう。
しかし大きくなりすぎると株分けするのが、どんどん大変になります。まだ扱いやすい大きさのうちにやっておくほうがいいですよ!
株分けの適期は秋または春
クリスマスローズの株分けの適期は、9月~11月と言われています。
しかし、北海道や東北などの寒冷地では秋に株分けをすると、根の育成期間が短くなってしまいます。
お住まいが寒冷地であれば3月~4月が適期です。
この時期は、根の成長が活発になるので、かなり大胆に根を切ったり、割ったりしても大丈夫です。
地中に十分に根を張ることができれば、株は順調に回復していきます。
株分けの手順
まずは、クリスマスローズの株を掘り起こします。土を落とし、どの辺りから分けられるかを見極めます。
あまり細かく分けると、回復に時間がかかるので目安は3~5つです。
ハサミやナイフなどを使って分けていきます。邪魔な葉があれば一緒に切り落としても大丈夫です。
この時、根の付いていない小さな芽が取れてしまわないように、気を付けながら分けていきましょう。
一度に複数の株の株分けを行うなら、この時に使ったハサミやナイフは、株ごとに消毒してくださいね。
消毒をしないと、ウイルス病などに感染する恐れがあります。
分けた後は、穴を掘り、植えこんでいきます。根をしっかりほぐさずに植え込むのも、花が咲かない理由の1つです。ここでしっかりと根をほぐして植えてくださいね。
根と土を密着させ、しっかり押さえるために周りの土を上から押したり、踏んだりしてもOKです。
しっかり押さえたら、土をかけて平らにして水をたっぷりかけます。これで完了です♪
株分け後に鉢植えする場合
増えすぎて庭にはもうスペースがない。または増えた分を、お友達や離れて暮らす家族にあげたい。そのために鉢植えに植え替えたい場合もあると思います。
そういった場合は、まず鉢に鉢底石と土をいれて、分けた株の根をできる限り、しっかりとほぐして植えます。
しっかりと根と土を密着させて植えたら、鉢底から水が流れ出るくらい、たっぷり水やりをしてください。
植え替えした後の鉢は、1週間ほど半日陰に置き、水やりは控えめにします。
そのあとは日当たりの良いところに置いて、たくさん日が当たるようにします。そうすると元気な苗が育ってきますよ♪
肥料を与えるのは、新しい芽が出始めてからにしてくださいね。
誰かにあげる場合は、こうした管理の仕方なども一緒に伝えてあげてください。
先ほども説明しましたが、株分け後の株は若返ります。すぐには咲かない可能性があるのでそれも伝えておくと親切かもしれません。
そしてクリスマスローズは、栽培環境によって咲く花の色が変わります。
あげた苗がお友達の家では別の色の花を咲かせる事もある、なんて面白いですよね!
いろいろな人にプレゼントして、どんな花が咲くのか試してみたくなりますね(笑)
クリスマスローズの地植えは夏の管理が大切!
クリスマスローズは夏場の管理が、育成や開花に大きく影響すると言われています。
夏場の管理が不適切であっても、咲く株は咲くので、夏場の管理が悪いから咲かない!とは言い切れません。
しかし、次の冬こそは咲かせたいと思うなら、夏場の管理をしっかりする事も大切です。
そこで、ここでは地植えしたクリスマスローズの適切な夏の管理について、説明していきたいと思います。
なぜ夏の管理が大事?
クリスマスローズは寒さに強いのですが、湿度が高くジメジメする気候や、暑さには弱い植物です。
クリスマスローズが自生する、ヨーロッパや地中海沿岸では、気温が高くても、湿度は高くありません。また、降水量が日本の半分で梅雨の時期はありません。
本来ならそのような環境で、自生しているクリスマスローズにとって、日本の夏は過ごしづらい季節といえます。
特にここ数年は猛暑が続いています。私たち人間が暑さに参っているのと同じで、クリスマスローズも参っているのかもしれませんね(笑)
いくら地植えしたらメンテナンスはいらない、と言われていても夏場に何の対策もなしでは、人間が熱中症になるのと同じで、弱ってしまうのも無理はありません。
日差し対策
クリスマスローズを植え込む場所は、明るい半日陰がいいと言われていますが、条件のいい場所に植えられるお宅ばかりではないと思います。
日が当たり過ぎるなら、夏場だけでも日よけを立てる、シェードを取り付けるなどの工夫をしてみましょう。
日光が不足しすぎるのもよくないので、朝や午前中だけは、日が当たるようにするなどの工夫ができれば理想的です。
暑さ対策は人間ならエアコン、クリスマスローズには日よけ。と覚えておきましょう(笑)
グラウンドカバープランツを植える
グラウンドカバープランツとは、地面を覆うように生えている、背丈の低い植物の事をいいます。
身近な植物で説明するなら、「芝生」と言えば分かりやすいでしょうか。
しかし、クリスマスローズのグラウンドカバープランツとして芝生は適していません。
この場合に適したグラウンドカバープランツとして、おすすめなのはセダム、ラミウム、アジュガ、原種シクラメン、ヒメツルニチニチソウなどです。
すぐ上にある黄色い花の画像がセダムです。セダムは品種にもよりますが、背丈が小さいものなら3センチほどの小ぶりな植物です。
周りに落ちている石や草と比較して、背丈の低さが分かると思います。
グラウンドカバープランツを植えて、クリスマスローズの周りの地表を覆うことで、夏場に気温が高くなっても、地中の温度の上昇を抑えることができます。
夏はグラウンドカバーされた地面と、裸の地面の温度差は約10℃と言われています。
10℃も地面の温度を下げることができれば、クリスマスローズが弱る事はまずない、といえます。
そして、小ぶりできれいな花や葉っぱで覆うことで、お庭全体に華やかさをプラスできます。
雑草も生えづらくなり、雨で土が流れるのを防止できる、といったメリットもあります。
見た目を気にしないのであれば、落ち葉や抜いた後の雑草を敷いてみても、同じように地中の温度の上昇を抑える効果があります。
ただし、落ち葉や雑草を敷く場合は、雨が降ったりして湿ったまま放置すると、湿気でカビが発生する原因になります。必ず定期的に交換してくださいね。
まとめ
- 地植えのクリスマスローズが咲かない理由は6つ考えられる
- 対処法は植え替えか株分けを行うこと
- 若い株と、株分けしたばかりの株は咲きづらいので、4~5年目まで待ってみる
- 株分けを行うなら、9月~10月、もしくは寒冷地なら3月~4月
- 株分けは3~5つに分ける
- クリスマスローズは、日本の夏に弱く、夏の管理がその後の生育に影響を及ぼす
- 夏には日よけ対策をしたり、グラウンドカバープランツを植えたりすると良い
地植えしたクリスマスローズが咲かないのには、6つの理由があり、対処法は植え替えるか、株分けをする必要がある、ということが分かりました。
クリスマスローズは、夏場の管理がその後の生育や開花に大きな影響があるので、日よけ対策をする、地中の温度を下げる努力をするといい、ということが分かりました。
この記事を参考にして、クリスマスローズの花が咲かない理由を探してみてくださいね。
そして、次の冬には色とりどりの、クリスマスローズの花が咲くといいですね♪
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