クリスマスローズは冬の寒い時期に咲き、色とりどりの花を咲かせます。
冬でもきれいな花を楽しみたい人にとっては、とても魅力的な植物ではないでしょうか?
クリスマスローズの種まきに適切な時期は5~6月と9~10月の年2回です。
育て方を調べてみると、時間もかかるし園芸初心者には難しいかも?と思うかもしれません。
しかし実際育ててみると実は丈夫で初心者にも育てやすい植物です。
そこでこの記事ではクリスマスローズの適切な種まきの時期や、種まきの仕方、発芽してから開花までの注意点を、初心者でも分かるようにまとめました。
適切な処理をしないと発芽しにくくなる、病気や害虫の食害にあう、といった可能性もあるので、ぜひ参考にしてくださいね。
クリスマスローズの種まきに最適な時期
まず初めに、クリスマスローズを育てるためには種が必要ですね。
種は、販売している種を購入することもできますし、咲いている花からとることも可能です。
咲いている花から種をとり、種をまき、花を咲かせることができたら最高ですよね。
ここでは、花から種をとるという状態からご説明します。
クリスマスローズの種まきに適切な時期は、年2回。その時期は5〜6月と9月〜10月の2回です。
なぜ同じ種なのに植える時期が分かれているの?と不思議に思いましたよね?
実はどちらで植えても発芽時期は同じなんです!
クリスマスローズは発芽までに一定の湿度を保った上で高温と低温での処理が必要なのですが、それを植える前にするのか、植えてからするのかの違いになります。
2種類の種まき時期について、それぞれ解説していきます。
まずはクリスマスローズから種をとる
まず、クリスマスローズから種をとりましょう。クリスマスローズの種は5〜6月にできます。
種が落ちる前に事前に花に茶こし袋をかけておき茶こし袋に種を集めておきましょう。
他の花とは時期が違うので初めは、え?5月?と思いますよね。
クリスマスローズは冬〜3月までにかけて花を咲かせるのでちょっと他の花とは違います。
そこがクリスマスローズの1番の魅力とも言えるのではないでしょうか。
茶こし袋に種を集めたら、袋から種を取り出し枯れた花弁やおしべなど種以外のものをしっかりと取り除いておきましょう。
不純物を取り除かないと種が腐ってしまう原因になります。
①5~6月に植える場合
とった種を5~6月に植える場合です。ちなみにとったその種をすぐにまくことを「とりまき」といいます。
すぐに植えることになりますので、植える前に必ず殺菌消毒が必要です。
殺菌消毒をしないと灰色カビ病や苗立ち枯れ病などの病気になる可能性があります。
殺菌消毒のやり方
- タッパーに種を入れる
- ダコニール、ベンレートなどの殺菌剤溶液に数時間浸す
せっかく植えた種が発芽しなかったり、病気になったりすると悲しいですよね。忘れずに殺菌処理してください。
②9~10月に植える場合
取った種を9~10月に植える場合です。9月〜10月に植えるまでの間、保存します。
種が乾燥すると発芽しにくくなるので、適切な状態で保存する必要があります。
9月~10月に植えるまでの保存方法
- 新しい茶こし袋に種20〜30粒とバーミキュライトまたはパーライト(園芸用の用土)を大さじ山盛り5杯位入れる
- ダコニールかベンレート(園芸用の殺菌剤)を500倍〜1000倍に薄めた液にひたし、種に水分を充分に吸わせ、膨らむようにする(種が乾燥しているようなら2日ほど、乾燥していない種なら30分以上)
- 種に水分を含ませたら、18センチ、7~8号ポット(種の量が多い場合はもっと大きいポットでも)に茶こし袋に入った種と赤玉土(小粒)をいれる
- 十分に水をかけて湿らせた状態にする
- 風通しの良い日陰で保存する
注意点
- 種と種が接触していると腐るおそれがあるので充分な量の用土をいれる
- 雨がポットに入らないように注意する
- ポットの上に水苔などを敷いて、土の表面の乾燥を抑える
- 保存期間中は赤玉土の表面が白く乾く前に水を入れる
- 3~4週間に一度はダコニールかベンレート(殺菌剤)などを薄めて、種を保存しているポットに流し込み殺菌する
ちなみに必要な用土や殺菌剤は100均やホームセンターで買えます。
専門用品の名前が並んでいるとよくわからない、難しそう。自分にもできるのかなぁ?と思いがちですが安心してください。
実際購入してみると、専門用品もお手頃価格で揃うことが分かると思います。
クリスマスローズの種まきの仕方
前回まとめた方法で種を下処理した後、5〜6月または9月〜10月に種を植えます。
どちらにしても植え方は同じになります。発芽する時期もどちらも同じです♪
9月以降に植える場合は保存しておいてうっかり忘れたー!とならないようにお気を付けくださいね。忘れっぽい私はやってしまいがちです(笑)
クリスマスローズには様々な品種がありますが、中でもリビダスは他の品種よりも発芽が早めなので種まきも早めにしましょう。
種まきの仕方
用意するもの
- 種15粒前後と4号ポット(12センチ)
- 種まき用土(赤玉土の小粒とパーライトもしくはバーミキュライト)
植え方
- 赤玉土とパーライトもしくはバーミキュライトを8:2で混ぜて土を作る
- できた土をポット7分目位まで入れる
- 先に水をかけて湿らせる
- その上から種を平均にまいて上に1センチ程度土をかぶせる
- 下から水が抜けるくらいまで水をまく
注意点
- なるべく同じ種類は同じポットにまく
これで種まきは完了です!天気のいい日に土いじりをしていると気分がいいのは私だけでしょうか?
日光浴ができて、軽い運動にもなるのでガーデニングは最高です♪発芽するのが楽しみですね。
植えてから発芽までの注意点
植えたら保存期間同様、数ヶ月適切な管理が必要になります。
- 雨や風、直射日光が当たらない場所におく
- 室内に入れるのはNG
- 冬場に何日も土が凍りつくような時は、夜間だけ玄関などの暖房のないところにおく
- 土や種が乾燥しないように気をつける
- 3~4週間に1回、殺菌剤を土と種まで浸みるくらい流す
とにかく大事な事は乾燥させない事です。殺菌剤は種まき前に使ったものでOKです。殺菌剤はたまにまく程度でいいので、手間がかからないのが嬉しいですね。
雨が入ると発芽しなくなったり、種が腐ったりするので気を付けてくださいね。
クリスマスローズの種まきから開花まで
種まきまでだけでもしっかりと行うべき作業があることが分かりますね。
でも種まきをしっかりすること、そしてこれから説明する開花までのプロセスを一つ一つ実行することで、素敵なクリスマスローズに出会うことができるはずです。
植えてから数ヶ月経つと発芽します。発芽時期は品種によって違いがあります。
リビダス | 11月下旬~12月にかけて |
ガーデンハイブリッド | 1月中旬以降 |
ニゲル | 2月以降 |
長くかかりますがひょっこり出てきた芽を見つけた時は嬉しいですよ!芽が出るまで楽しみに待っててくださいね。
芽がでてからの注意点ですが、クリスマスローズは全身に毒を持っていますので、肌が弱い方が触れた場合かぶれる恐れがあります。必ず長袖、手袋をして作業をしてください。
発芽してから1度目の植え替えまで
全ての種が発芽したら、午前中は日光に十分あてて健康な苗を作るようにします。
春先になってくると、病気や害虫の食害が増えるので気を付けてくださいね。3~4週間に1度の殺菌剤と殺虫剤は忘れないようにしましょう。
本葉が揃った頃からは週に1回液肥(ハイポネックス、花工場など)を2000倍に薄めて与えます。
そして、双葉が発生してから4〜5週間経って、本葉が数センチほど立ち上がってきたら植え替えをしましょう。
植え替えに必要なもの
- 7.5〜9センチのビニールポッド
- 赤玉土小粒、腐葉土、軽石または鹿沼土を6:3:1の割合で混ぜて土を作る
- 元肥を適量(効果が2〜3ヶ月程度のもの、マグァンプK小粒など)
注意点
- 翌日に底から水が流れ出るくらいたっぷり水を与える
- 双葉の下部分まで土で隠す
双葉の下まで土で隠すと元気な苗を作れますよ♪まだまだ小さい芽なので大切に扱ってくださいね。
初夏から秋まで
この頃になると新しい本葉が2〜3枚でてきます。できる限りあげ過ぎにならないように、注意しながら液肥を与えましょう。
5月には気温が高い日も出てくるので、温度や直射日光に注意します。
6月以降梅雨の時期は、引き続き雨よけをしっかりとすることが大切です。
秋の彼岸の頃になったらビニールポットでは小さくなってくるので、植え替えをしましょう。
必要なもの
- 4号(12センチ)ポット
- 用土(赤玉土中粒、腐葉土、軽石または鹿沼土を6:3:1の割合で混ぜたもの)
植え替え後注意点
- 翌日に底から水が溢れる位たっぷり水を与える
- 1週間経ってから固形肥料や液肥を与える(一度に多く与えると根腐れを引き起こすので注意)
- 肥料は来年の初夏まで切らさないようにする
- 植え替え後からは太陽の光にしっかりと当てるようにする
大切に大切に育てると、この時点でだいぶ育ってきます。ここまできたら開花まであともう一歩、どんな花が咲くのか楽しみですね。
クリスマスローズは様々な色の花を咲かせるのですが、私は白いクリスマスローズの花がすきです。
その後の植え替え
2〜3月頃になると4号ポットでは足りなくなってくるので、植え替えをしましょう。
必要なもの
- 5〜6号ポット(15センチ〜18センチ)
- 赤玉土(中粒)腐葉土、軽石か鹿沼土を6:3:1で混ぜて土を作る
- バーミキュライトまたはパーライト(園芸用土)
- 調整用として牡蠣殻(かきがら)や籾殻燻炭(もみがらくんたん)などを少し
植え替え方法
- ポットの底に軽石を敷き詰める
- 土に少し水を含ませてポットの下部に2~4センチ敷く
- その上に前のポットから抜いた株の、横と底の根と土を3~4割程度ほぐして置き新しい土に植える
- 植え込むときはポットの上部に、2センチから3センチのウォータースペースを作る
植え替え後注意点
- その後は、翌日に底から水が流れ出る位たっぷり水をあげる
- 1~2週間はあまり風の当たらない、半日陰の場所におく
- 10日後位からは、十分な日光を当てポットと土を暖める
ここからは成長速度に応じて追肥が必要になりますが、5月末には追肥の成分が切れるようにしておきましょう。
初夏頃になったら強い日差しから守るために半日陰の場所に移動します。
日差しの強い時には日に当たらないように、雨の日には雨に当たらないように、ペットのように大切に育ててあげてくださいね。
これ以前では赤玉土の小粒を使いましたが、この時の植え替えからは赤玉土の中粒を使ってください。
植え替えそして開花
10月頃にはもう一回り大きなポットへの植え替えが必要になります。
必要なもの
- 6〜7号ポット(18〜21センチ)
- 赤玉土(中粒)腐葉土、軽石か鹿沼土を6:3:1で混ぜて土を作る
植え替え方法
- 植え替え前の株は、前日から水を与えず若干乾燥気味にする
- ポットの底に軽石など底石を入れる
- 鉢の底に回った根を若干ほぐし、新しい用土と根の接触範囲を大きくする
- 新しい土は湿らせておく
植え替え後注意点
- あまり風の当たらないところに置く
- 水やりは翌日に底から水が流れ出る位たっぷり与える
- 肥料などは植え換え後1週間は与えずに、その後リン成分の多い液肥か固形肥料を与える
ようやく開花まであと1歩のところまできましたよ!ここまでで初夏の時期に植えた場合で約二年半、秋に植えた場合で約二年が経ちました。
クリスマスローズの苗がそれなりのお値段なのも納得です(笑)
前回の植え替えの後からは十分に日光に当てるようにします。そして冬に近づいたら開花の準備に入ります。
そして、12月〜3月にかけてようやく開花です!沢山の綺麗な花を咲かせます。
花の色はピンク、黄色、グレー、白、グリーン、黒っぽい色、アプリコット、紫など色んな色があります。
アナタのお気にいりは、どんな色のクリスマスローズですか?気に入った色の花が咲くといいですね♪
それから花が終わる頃まではリン成分の多い肥料を切らさないでください。
クリスマスローズの地植えが咲かない!?そんなときのお悩みはこちら。
開花後の扱い方と注意点
クリスマスローズは一度花を咲かせると、そのあとは毎年花を咲かせます。
適切な株分けを行えばその寿命は半永久的とも言われています。
せっかく育てたならできる限り長生きさせてあげたいですね!開花後、通年のおおまかな扱い方と注意点はこちらになります。
時期 | 管理 | 水やり方法 |
10月~4月 | 日当たりの良い場所に置く | 土の表面が乾いたらたっぷり与える |
5月 | 明るい半日陰に置く | 土の表面が乾いたらたっぷり与える |
6月~9月 | 明るい半日陰に置く | やや乾かし気味で管理する |
まとめ
- 種まきに最適な時期は5〜6月(とりまき)と9月〜10月
- 9~10月に植えるためには適切な処理をして種まきまで保存しておく必要がある
- 種まきはどの時期に植えてもやり方は同じで、発芽時期も変わらない
- 発芽するまでは乾燥させないように、温めすぎないよう管理に気を付ける
- 発芽してからは開花まで4回程植え替える
- 10月から4月までは日当たりの良い場所におき、土の表面が乾いたらたっぷり水やりする
- 5月は半日陰におき、土の表面が乾いたらたっぷり水やりする
- 4月から9月は半日陰におき、やや乾かし気味で管理する
クリスマスローズは種から育てると時間はかかりますが、一度育てば毎年冬に花を咲かせて花壇を彩ってくれます。
ぜひ、色々な色のクリスマスローズの花を咲かせてみてくださいね。
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