化粧用スポンジパフはどのくらいの頻度で洗うべきかご存知でしょうか?
結論から申し上げると、パフは、週に1度の頻度で洗うのがベストです!本当はお肌のためには、使うたびごとに洗うのが理想なのですが…。
お出かけ前のあわただしい時間帯に、のんびりパフを洗って乾かして、なんてしているヒマはありませんよね。
それに洗う頻度が高いとそれだけパフが傷みやすくもなります。
正しい手順でしっかりと洗えば週に1度でも大丈夫です。そう。正しい手順で洗えば。です。
パフの洗い方は、実はあまり知られていないと思います。
しかしパフを汚れたまま使っていると色ムラができるだけでなく、ニキビやその他皮膚炎を発症させる原因にもなり得ます。
洗い方は簡単。週に1度の頻度でパフを洗って、お肌にやさしいコスメ生活を始めましょう。
パフを洗う頻度は週に1度がおすすめ
化粧用スポンジパフ、どのくらいの頻度で洗っていますか?
パフの洗浄は、最低でも週に1度の頻度で洗うのがおすすめです。
本当は「毎日が理想」と言いたいところなのですが、現実的な日々の生活を考えて、おすすめは週1回と結論づけました!
理想と現実はなかなか離れていて、毎日洗うとなると、「理想」という言葉でさえ許されない雰囲気ですよね(笑)
私はずっと洗っていませんでした。どうやって洗えばいいのかわからないし、自己流で洗って失敗するのが怖かったのです。
その結果、パフは汚れたまま。ポーチを開けるたび、一瞬パフを使うことにためらいが…。
そのためらいは、間違ってはいませんでした。パフを週に1回の頻度で洗うべき理由があったのです。
パフの洗浄が必要な理由
私たちの肌にはさまざまな細菌が存在しています。
その中には病気の原因となる雑菌の侵入を防いだり、皮脂を食べて肌のトラブルを改善してくれたりする、良い細菌もいます。
しかし、肌に悪影響を与える雑菌も同時に存在しています。
ニキビの原因として悪名高いアクネ菌、化膿の原因となる黄色ブドウ球菌もその一つです。
毎日顔につけるパフの表面には、肌に悪影響を与える雑菌がたくさん繁殖しているのです。
パフを肌につけると、そういった悪影響を与える雑菌がたくさん入ってきます。そして一緒に移ってきた皮脂を食べて、雑菌はパフの上でどんどん増えては広がっていくのです。
2019年にイギリスのアストン大学が行った調査では、使用済みパフの79~90%で黄色ブドウ球菌と大腸菌が見つかったとされています。
雑菌の繁殖したパフを使うと、肌に移って肌トラブルの原因となりかねません。
また、どんなに手入れしていてもパフは消耗品。古くなったり、ゴワゴワになったりしたパフは寿命です。
肌トラブルを防ぐためにもパフは少なくとも週に1度の頻度で洗い、また3ヶ月に1度は新しく買い替えて、常に清潔にしておくことがおすすめです。
パフの洗剤は何がおすすめ?
雑菌が繁殖しているパフを使っていると考えると、たまにお肌の調子が悪くなるのも納得がいきます。
パフを洗う頻度が分かったところで、次の疑問が、何を使って洗うのかです。
しかしインターネットで検索してみると、ますます混乱する羽目に。
台所用洗剤?石鹸…?結局どれを使って洗うのが一番いいの?
食器用洗剤、石鹸、そしてパフ専用洗剤。いろんな種類の洗剤がありますが、パフを洗うにはどれが一番良いのでしょうか?
「専用」とうたわれているのですから、パフを洗うならパフ専用洗剤が一番良いように思われますよね。
しかし、パフ専用洗剤がパフを洗うのに一番適しているとは言い切れないのです。
なぜかって?これら洗剤の働きについてお話しますね。
パフ専用洗剤も食器用洗剤も石鹸も、すべて界面活性剤と呼ばれる成分でパフの洗浄を行います。
この界面活性剤、パフについた汚れは落としてくれるのですが、殺菌はしてくれません。
汚れを落としているのに、殺菌はしないの…?
確かに、界面活性剤でもある程度は雑菌を洗い流せます。でもある程度止まりです。
流水でしっかり丁寧に洗えば洗うほど、洗い流せる雑菌も多くなります。
しかし、界面活性剤は殺菌を目的としたものではないため、完全に雑菌を落とすのは難しいのです。
トイレに行ったあと、石鹸で手を洗いますよね。そしてその後消毒用アルコールスプレーで消毒をすると思います。石鹸だけではきれいに雑菌を落とせないためです。
これはパフ専用洗剤と食器用洗剤にも同じことが言えます。
「除菌もできる」と書かれている「パフ専用洗剤」と「食器用洗剤」と「石鹸」は、界面活性剤とは別に殺菌(除菌)成分が含まれている製品なのです。
それでは、この3つ(パフ専用洗剤、食器用洗剤、石鹸)は何が違うのでしょうか?それをこれから解説していきます。
いくつか専門的な言葉が出てくるので息切れしてしまうかもしれませんが、これからお話する内容はお掃除やお洗濯などにもきっと役に立ちます。
界面活性剤で洗ったカップにお茶でも入れて、一息つきながら読んでみてくださいね♪
パフを洗う際にダイソーの専用洗剤は使える!?
あなたはダイソーの化粧品コーナーに立ち寄ったことがありますか?
そして、化粧品コーナーでパフ専用洗剤を見かけたことがありますか?
そしてそれを手にとって「お高めのパフも洗うことができるのかしら」と思ったことがありますか…?
どれにも覚えがなかったら失礼いたしました。あるのです。ダイソーにパフ専用洗剤が。
「パフ専用洗剤」とひとくちに言っても、高級専用洗剤から100均までいろいろ、価格帯も大きく変わりますよね。
ダイソーのパフ専用洗剤でも、もちろんパフは洗うことができます!
100均とお高めのパフ専用洗剤では、どういう違いがあるのでしょうか?
ダイソーとお高め専用洗剤の違い
ダイソーのパフ・スポンジ専用洗剤を、DHCと資生堂のスポンジクリーナーと比較してみましょう。
- ダイソー パフ・スポンジ専用洗剤
界面活性剤(34% ポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド安定化剤、水軟化剤) - DHCメークアップ スポンジクリーナー
界面活性剤(40%、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル)、安定化剤 - 資生堂 スポンジクリーナーN (L) 198
界面活性剤(31.1%、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ココアンフォ酢酸ナトリウム、ポリオキシエチレンアルキルエーテル)
ダイソーの専用洗剤に含まれているポリオキシエチレンアルキルエーテル、脂肪酸アルカノールアミド。
DHCと資生堂の専用洗剤に含まれているポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル。
製品のもっとも多くを占めるこれらの成分は「非イオン界面活性剤」と呼ばれるものです。
非イオン界面活性剤は主におしゃれ着洗いの洗濯洗剤に使われている界面活性剤で、繊維にとても優しく、肌に触れてもほとんど刺激がありません。
おしゃれ着洗いに使われているので、毛や絹といったデリケートな素材のパフにおすすめの洗剤です。
また油汚れに強く、パフにしみついた化粧品汚れを落としてくれます。
パフ専用洗剤の成分を見るといずれも非イオン界面活性剤が使われており、パフの繊維をやさしく洗い上げてくれることがわかります。
非イオン界面活性剤の注意点
非イオン界面活性剤は油汚れに強いので化粧品汚れは落としてくれるのですが、垢や皮脂といったタンパク質汚れに対する洗浄力はあまり高くありません。
おしゃれ着洗いをしたとき、えりや首周りの汚れがあまり落ちなかった経験はありませんか?
殺菌作用もないため、パフ上で増殖している雑菌をすべて洗い流すことはできません。
そのためおしゃれ着洗い洗剤では、衣類に雑菌が繁殖し臭いを放つときがあります。
そして非イオン界面活性剤を栄養にして増殖するカビもいるので、洗浄時にはよく水で洗い、きちんと乾燥させることが重要です。
肌やパフにやさしい反面、タンパク質汚れ・雑菌・カビに気をつけなくてはならないのが非イオン界面活性剤です。
多くのおしゃれ着洗い洗剤では界面活性剤とは別に、洗浄力や殺菌力を上げるための成分を添加しています。
ダイソーの専用洗剤にも「水軟化剤」という、洗浄力を上げるための成分が含まれています。
資生堂の専用洗剤にもココアンフォ酢酸ナトリウムという成分が含まれていますが、これは両性イオン界面活性剤と呼ばれる洗浄と殺菌をする界面活性剤です。
両性イオン界面活性剤の中でもココアンフォ酢酸ナトリウムは刺激が低く、肌にやさしい成分です。
パフ専用洗剤で洗う方法
パフ専用洗剤で洗う方法をご説明します。基本的にはダイソー品に限らず同じです。
- 洗面器などにパフを入れ、水にさらす前に洗剤を直接つけます。
- 洗剤を汚れとなじませるようによく揉みながら洗います。
- 水かぬるま湯でしっかりとすすぎ洗いしましょう。
パフの乾かし方
雑菌の繁殖を防ぐためには、洗うことだけでなく乾かし方も重要です。
洗った後は直射日光の当たらない風通しの良いところでしっかり乾かしてください。
パフを洗濯ネットに入れてぶら下げておくとまんべんなく乾かすことができます。
高温にさらすとパフが変質する危険があるため、ドライヤーを使うときは冷風モードがおすすめです。
パフを洗う洗剤は食器用洗剤でもアリ!
パフ専用洗剤は肌にやさしい反面、雑菌や皮脂汚れにはあまり強くないことがわかりましたね。
では雑菌や皮脂汚れも落としてくれ、カビも出さない洗剤はないのでしょうか。
ズバリ、食器用洗剤はあらゆる汚れを洗うことのできる洗剤です。
食器用洗剤の特徴
食器用洗剤と石鹸はどちらも陰イオン界面活性剤と呼ばれる界面活性剤を使っているのですが、前者は中性、後者は弱アルカリ性という違いがあります。
肌に使うパフを食器用洗剤で洗うのはどうなんだろう…?
確かに肌や繊維への刺激では非イオン界面活性剤に軍配が上がりますが、中性の食器用洗剤も、アルカリ性の石鹸と比べるとパフにやさしい成分です。
食器用洗剤でパフを洗うことが不安なあなたのために、2014年に四国大学で行われた、使用済みパフの洗い上がりに関する調査をご紹介しましょう。
洗剤の内訳は除菌成分入り食器用洗剤・パフ専用洗剤・液体石鹸・薬用液体石鹸・クレンジングオイルの5つ。
洗浄効果、除菌効果、そして洗い上がりの肌触りの3つを比べました。
洗浄効果では食器用洗剤がトップでした。除菌成分も入っていたため除菌効果でもトップ。そして、洗ったあとのパフの肌触りでもパフ専用洗剤と同等でトップだったそうです。
すごくないですか!?食器用洗剤は刺激が強いというイメージがあったので驚きました。
もちろん、製品によって洗剤の配合成分は違いますし、パフの素材もさまざまなので一概には言えません。
しかしこの調査は、食器用洗剤もモノによってはパフ専用洗剤と同じくらいやさしく洗うことができたという一例ではないでしょうか。
食器用洗剤で洗う方法
食器用洗剤で洗う方法は、基本的にパフ専用洗剤での洗い方と同じです。
注意してほしいのは、食器用洗剤で洗うときはよく水で洗い流すということです。
石鹸が水で流した後すぐその洗浄効果が消えるのに対し、食器用洗剤は手やパフの上で皮脂や角質を分解し続けようとします。
お肌のバリアとなっている皮脂などが分解されてしまうと、肌荒れの原因になってしまいます。
パフだけでなく食器を洗うときも、洗った後はよく水で落としお肌を守ることを心がけたいですね。
パフを洗う際に石鹸を使うのは汚れが落ちないとき
石鹸は食器用洗剤と同じく、陰イオン界面活性剤の一種です。
食器用洗剤と同じように汚れを洗う力にすぐれていますが、石鹸は手垢や皮脂、油汚れなどタンパク質の汚れに洗うことが得意です。
しかしその分刺激も強く、洗ったパフの繊維がゴワゴワになることも。
ほかの洗剤で落ちないほど汚れがひどく、またパフの素材が比較的丈夫な場合の最終兵器です。
石鹸でパフを洗う時はパフをしっかり水にぬらし、石鹸をパフの汚れにこすりつけて洗います。石鹸のアルカリ性はパフには刺激が強いので、すすぎには充分時間をかけて。
パフを洗う際にクレンジングオイルを使うなら
パフについた化粧品を落とすときはクレンジングオイルで洗っている…
最後に、クレンジングオイルでパフを洗う方法をご説明しますね。
クレンジングオイルでパフを洗う場合、パフにクレンジングオイルを垂らし、汚れと馴染ませるようにもみ込ませてから水で流します。
クレンジングオイルにも界面活性剤は入っているのですが、割合としては少なく洗浄効果は低め。
またクレンジングオイルはパフの内部まで浸透しにくく、洗う際にムラができやすいので時間をかけてしっかり揉み込ませてください。
まとめ
- パフを洗う頻度は毎日が理想、最低でも週に1度
- パフは三ヶ月に一回の頻度で買い換えるのがベター
- パフ専用洗剤は繊維や肌にやさしい反面、タンパク質汚れ・雑菌・カビに注意
- 食器用洗剤は汚れを洗う力が高いが、よく水で洗い流さないと肌荒れすることも
- 石鹸は手垢や皮脂などタンパク質を洗う力が強いが、その分刺激も強い
- クレンジングオイルは洗うときにムラができやすく、洗浄効果は低め
あなたのパフのお手入れ頻度と洗い方、正しかったでしょうか?
パフもお肌も大切に扱って、美しさにみがきをかけてくださいね♪
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