冬が近づくと活躍する暖房器具といえばエアコンではないでしょうか。
久しぶりにエアコンのスイッチを入れてみるとなんだか嫌な臭いがしたことはありませんか。
その嫌な臭いはカビが関係しているかもしれません。カビといえば、ジメジメした季節をイメージしますよね。
冬は乾燥する季節なのでカビとは無縁と思われがちです。
カビが発生する条件は大きく分けると3つあり、3つが合わさるとカビが繁殖する確率が高くなります。
実は、カビが発生する条件3つ全てがきれいにそろってしまうのが、冬のエアコンです!
いざ使おうとしたときにエアコンにカビがあるかもしれないと思うと嫌ですよね。
カビが発生する条件と冬にエアコンのカビを増やさないための方法を調べました。冬もエアコンのカビを心配せず、快適に過ごしましょう!
エアコンに冬もカビが発生する原因はこの3つ
カビというと、湿度が上がる梅雨の時期から夏場をイメージする方が多いと思います。その条件、本当に梅雨だけでしょうか?
カビが発生する条件(大きく分けると3つ)をここで確認しておきましょう。
カビが発生する条件
- 温度 20~30℃
- 湿度 60%以上
- ホコリや汚れ
実は、冬にエアコンを使った場合にもこのカビが発生する3条件がまるっとそろうのです。恐ろしい…!
冬は乾燥していて湿度も低いので、カビは関係がないと思われがちです。
しかし、実は冬も湿度が高い状態になりカビが繁殖する環境が整っているのです。
ひとつひとつ見ていきましょう。冬もエアコンをつけると室内は20℃以上に保たれます。
これは、条件のひとつ、温度20~30℃にあてはまりますね。
また、最新の住宅は気密性が高く、冬でも過ごしやすくなっています。
乾燥を防ぐために、エアコンと加湿器を同時に使ったり、洗濯物を室内干しにしたりしていませんか。
結露ができるほどの状態であれば室内の湿度が十分にあることになります。
さらにはエアコンの中!エアコン内は閉鎖的なので暗く、構造的にも内部に湿気がたまりやすくなっています。
そのため、室内の湿気を含んだ空気をエアコンが吸い込むことによって、エアコン内部も湿った状態になります。
条件のひとつである湿度も、これであてはまってしまいます。
そして、空気中のホコリや汚れはエアコン内のフィルターにつきます。
エアコン内部の湿気とフィルターについたホコリが結びつき、カビの栄養源となってしまいます。
これで最後の条件である、ホコリや汚れにあてはまりましたね。
カビが発生する条件がすべてそろってしまいました…。言われてみればそうかもしれないと思い当たったところがありませんか。
人にとっての、寒い時期中の暖かい快適な環境は、カビにとってもそれはそれは快適な環境となってしまうのです。
人とカビの快適な環境が同じとは驚きですよね!
また、室内と室外の温度差が大きいとエアコン内部に水分が発生しやすくなり、これもカビの原因になりうるのです。
エアコンのカビで肺炎の恐れもあるので冬も注意が必要
カビが発生する条件がそろうと、冬でもエアコン内にはカビが繁殖してしまうとお伝えしました。
冬の間、カビが繁殖したエアコンを使い続けると、アレルギーや肺炎など健康上に問題がおこる場合があります。
エアコンは、外の空気を吸い込み温度を調整してふたたび空気を吐き出しますよね。
そして、エアコンのフィルターがホコリや汚れをとどめてくれています。
しかし、このフィルターやエアコン内が汚れたままだと、カビやホコリも一緒に吐き出されることになります。
その空気を吸い込むと体に良くないということは想像ができますよね。そのままにしておくと、アレルギーや肺炎の症状を引き起こす可能性があるため注意が必要です。
冬の時期に、咳や鼻水といった症状が出れば、真っ先に風邪かと考えますよね。
まさか、エアコンが原因のアレルギーや肺炎かもしれないとは思いもしないでしょう。
もし、普段よりも治りが悪いと思ったり、いつもの風邪と違うと感じたりしたら、医師に相談してみましょう。
エアコンを冬に使い始める前にやるべきこと
エアコンのカビが恐ろしいものだというのが分かってきましたね。
冬にエアコンを使い始める前にやっておきたいことがあります。それはエアコンの掃除と試運転です。
掃除をしないまま季節を越すと、エアコン内に水分が残ったままになります。
残ったままの水分は、フィルターについたホコリでふさがれて、行き場がなくなってしまいます。
最初に、カビが発生する条件のうちのひとつである温度は20~30℃とお伝えしましたよね。
エアコンを使わずに過ごす季節は、だいたい温度も20℃~30℃ではないでしょうか。
エアコン内部の行き場を失った水分が湿度を保ったまま、繁殖しやすい温度の中で、ホコリを栄養にしてカビはどんどん増えて活動するのです。
そして、そのまま冬にエアコンをつけると…。想像しただけでゾッとしますよね。私も、鳥肌がたってきました。
この恐ろしい状態で、冬にエアコンを使い始めることは避けたいですよね。
ここからは家庭で出来る範囲の掃除方法を紹介します。早く掃除をしたいとウズウズしてきていませんか。
私もいま、自宅のエアコンが気になって仕方ありません(笑)でもここで焦ってはいけません!
ひと呼吸おいて、掃除を始める前に準備するものと注意することを確認しておきましょう♪
エアコン掃除で準備するもの
- マスクとゴム手袋
- ぞうきんや古い布、もしくはキッチンペーパー
- 使い古しの歯ブラシ
- 割りばしなどの棒状のもの
- 輪ゴム
- 中性洗剤
- 掃除機
- 踏み台
エアコン掃除に使う洗剤は中性洗剤を使います。ここで、アルコール除菌を使いたくなるかもしれません。
しかし、エアコン内部にアルコールが残ると火気の恐れがあります。危険ですから、絶対に使わないようにしてください。
エアコンは高い位置にあるので踏み台を使うと思います。周りに危険なものがないか確認してから作業しましょう。
作業中に電源が入ってしまうと危険ですので、必ずコンセントを抜いてから作業しましょう。
また、エアコンの種類によっては注意事項があるかもしれません。
無理な扱いをしてエアコンが故障してしまったら悲しいですよね。説明書で確認をしてから行いましょう。
フィルターの掃除
まずは、フィルターの掃除からです。前面パネルを開けます。前面パネルとは、エアコンの正面についている大きなカバーの部分です。
パネルを開けたら、フィルターについているホコリを掃除機で軽く吸い取ります。
ざっと吸い取ったら、フィルターを外して、裏側も掃除機でホコリを吸い取ります。
その後、中性洗剤で優しく洗います。中性洗剤で洗う前に、フィルターの裏側から水をかけると、掃除機で吸い取れなかったホコリが取れやすくなりますよ♪
使い古した歯ブラシなどでフィルターの汚れを落とします。あまり強くこするとフィルターを傷つける可能性があるので気を付けましょう。
洗い流したら、陰干しでしっかりと乾かします。
前面パネルの掃除
説明書で確認して自分で取り外しができるようであれば行いましょう。
外せても、元通りにできなければいけませんので注意してくださいね。
取り外せるようであれば、中性洗剤で汚れを洗い流しましょう。洗い流したら乾拭きして、しっかりと乾かします。
取り外せないようであれば、パネルを開けた状態で薄めた中性洗剤にひたして絞ったぞうきんなどで、汚れをふき取ります。
そのあと、水拭きと乾拭きをしておきます。あまり力を入れすぎるとパネルが破損するかもしれませんので注意してふき取りましょう。
ルーバーの掃除
ルーバーってなに?となりますよね。大丈夫です、ご説明します。
ルーバーとはエアコンの吹き出し口についている長い板のようなところです。風の流れを調節してくれる部分になります。
こちらも、説明書で確認し、外せるようであれば外してから、中性洗剤で洗い乾燥させます。
もし外せなければ、手でルーバーを手前に開きます。そして、薄めた中性洗剤にひたして絞ったぞうきんなどで内側の汚れをふき取ります。
そのあと、水拭きと乾拭きをして、しっかり乾燥させましょう。
吹き出し口の掃除
先ほどのルーバーを外すと風向きを変える部分が見えます。
割りばしなどの棒状のものに、薄めた中性洗剤にひたして絞ったキッチンペーパーや古布を巻きつけて輪ゴムでとめた、お掃除棒をつくります。
このお掃除棒で、優しく汚れをかき出していきます。かき出したら、乾いたキッチンペーパーや古布でつくったお掃除棒でふき取ります。
ルーバーが外せなければ、手でルーバーを手前に開き、お掃除棒で隙間からかき出すようにしてみましょう。
かき出せたら、乾いたキッチンペーパーや古布でつくったお掃除棒でふき取ります。ここも無理は禁物ですよ。
試運転をする
掃除をしてしっかり部品が乾いたら、外した部品を取り付け、試運転をしてみましょう。
エアコンを使い始める前に、エアコンがきちんと動くかどうか確認できれば安心ですよね。
本格的にエアコンを使う時に、リモコンの電池が切れていた!なんてことも防げます。
そして、掃除後にもう一度エアコンを運転させることで内部の汚れを出し切ることにもつながります。
試運転をするときのポイント
- 送風もしくは暖房で、30分ほど運転する
- 必ず換気をする
エアコン内部を乾燥させることが重要です。試運転をするときは換気を必ずしましょう。
プロの手に頼ることも大切
ここまで自宅でできる範囲の掃除方法を紹介しました。掃除すればするほど、奥の汚れやカビがどんどん気になりますよね。
今では、スプレータイプでエアコンの掃除ができる商品もありますよね。しかし、誤って電子部品にスプレーをしてしまうと故障の原因になります。
せっかくエアコンをきれいにしようと思っていたのに、故障させてしまったら悲しいですよね。
あくまで自己責任になりますが、個人的にはあまりおすすめはできません。
わたしたち素人が完璧にエアコンを掃除することは不可能です。自分の手には負えないと思ったら、プロにお願いするのもひとつの手です。
1~2年に1回のペースであれば、家計の負担は減らせると思います。
プロの手できれいにしてもらい、日ごろのメンテナンスで自分たちがカビを防げれば怖いものはありませんね♪
エアコンの内部クリーンを活用して冬も予防を
掃除をすれば、もうこの冬は大丈夫!と安心していませんか。
エアコンを使っている期間も、カビの発生や繁殖が進まないように予防をすることが大切です。
冬もエアコン内部の湿気を抑えることが重要だとお伝えしましたよね。自分たちでできるエアコンのカビを予防する方法をご紹介します。
冬にエアコンのカビを予防する方法
- 使用後は、送風運転や内部クリーン機能を使う
- 湿度と温度を上げすぎない
- 換気をする
- フィルターのホコリを取る
カビを発生・繁殖させない環境を作ることが大切になってきます。
使ったあとは、換気とともに送風運転や内部クリーン機能で、エアコン内部を乾燥させましょう。
お使いの機種によって違いはありますが、内部クリーンはエアコン内部を乾燥してくれる便利な機能です。
この機能がついていたら、使わない手はありません。内部クリーン機能がなければ、送風運転でもきちんと乾燥できますから安心してくださいね。
冬にエアコンや加湿器を使わないわけにはいきませんよね。
ですので、こまめに換気をして湿度と温度が上がりすぎないようにすることが大切です。
窓に結露ができていたら、しっかりとふき取るだけでも予防になります。
冬は乾燥を気にして湿度を上げようとしてしまいがちです。
冬の湿度は50%くらいが良いとされていますので、上がりすぎないように気を付けましょう。
冬は寒いので換気はおっくうになりがちですよね。でも、ここは気合を入れて窓を開けましょう!
そして、「カビ、いなくなれー!」と心の中で叫んで空気を入れ替えると、空気も気持ちもスッキリするはずです(笑)
エアコンを使用している期間も、2週間に1回程度はフィルターのホコリを取りましょう。
フィルターを水洗いしたときは、しっかり乾燥させてから取り付けましょうね。
とにもかくにも、エアコン内の乾燥を心がけることがカビ予防の一歩です!
カビの栄養になる温度と湿気とホコリを少しでも解消することで、冬も快適にエアコンを使えます。
まとめ
- 温度20~30℃、湿度60%以上、ほこりや汚れの条件がそろうとカビが発生する
- 冬のエアコン内部は、構造的にカビが発生する条件にピッタリあてはまる
- 人にとって冬の暖かく快適な環境は、カビも快適な環境になる
- 汚れたままのエアコンを使い続けると健康被害がでるおそれもある
- 冬にエアコンを使い始める前には掃除と試運転をする
- 自分で出来る範囲でエアコンを手入れしよう
- カビを予防するには使用後に送風運転や内部クリーン機能を使ってエアコン内部の乾燥を心がける
これで冬もエアコンのカビを心配することなく過ごせそうですね。
エアコンを使う冬が終わった後にも手入れをすることで、次の季節もカビの心配をしないで心地よくエアコンを使うことができます。
私もさっそく、エアコンのフィルター掃除から始めようと思います!
あなたもこの冬、エアコンのカビに悩むことなく暖かく快適な時間が過ごせますように!
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