日本では、旧暦12月のことを師走(しわす)といいます。
普段は落ち着いている師匠でさえ走り回るほど忙しい、という意味があるのだとか。
由来はさておき、年末は師匠でなくたって本当に忙しいですよね!
お歳暮の用意にクリスマス、大掃除におせち作りに帰省の準備にやることがたくさん。
仕事納めまで残業は続くし、お得意さまに挨拶回りに行かなきゃいけないし…。あっ!年賀状も書かなきゃ!
忙しい中、何枚も手書きが必要な年賀状。一人ひとりへコメントを書いていると、ついうっかり書き損じ。溜め息とともに手に取る修正テープ。
あれ?年賀状に修正テープってもしかして失礼…?
一度は手が止まる修正テープ。そのとおり!年賀状に修正テープを使うのはNGですよ!
もう修正テープを使ってしまった、本当にダメ?そんな疑問を調べてみました。
年賀状に修正テープを使うのはNG
新年の風物詩、年賀状。いろんな人に送るから、マナーもいつもより気になっちゃいますよね。
早速ですが、結論から申し上げます。年賀状に修正テープを使うのはやめましょう。
仮に、あなたが修正テープでベタベタと直された年賀状を受け取ったと想像してみてください。
幼い甥や姪が頑張って書いてくれた年賀状なら、努力の跡ですから微笑ましい気持ちになるかもしれません。
でも、それが上司からの年賀状だったら?気にかけている後輩からだったら?
自分は上司に大事にされていないんだ…。後輩に嫌われてたのかな…。と、新年早々ちょっと悲しい気持ちになりませんか?
もちろん相手のお人柄や、普段の相手との関係性にもよります。
しかし、修正テープを使った年賀状の差出人に対して、少なくとも好印象を持つことはないでしょう。
大人なら、新年のおめでたい空気に水を差すようなまねは避けるべきです。
年賀状に修正テープを使うのはマナー違反!
もうお分かりですよね。修正テープがついた年賀状は、印象がとても悪くなります。
年賀状に修正テープを使ってはいけない理由はそう、お察しの通り、失礼にあたるから。
そもそも年賀状とはどういうものなのか、改めて確認しておきましょう。
日本には、今でも続く「年始回り」という風習がありますよね。
お世話になった方々や親族に感謝を込めて新年の挨拶をしてまわるというものですが、これは千年以上も前から行われていたそうです!
しかし、自動車も飛行機もない時代のこと、移動できる距離には限界があります。
そこで、遠方へは挨拶に伺う代わりに、新年の挨拶をしたためた手紙を送っていたそう。これが、年賀状のはじまりと言われています。
もし相手のご自宅まで直接出向いてご挨拶をするとしたら、どうしますか?
きっと、失礼のないように身なりを整え、晴れやかな笑顔で、言葉を選んで、心を込めて挨拶をするでしょう。
年賀状がその代わりだと考えると、1枚のはがきがとても重みのあるものに思えてきますよね。
修正テープなんて使って、うわべだけ取り繕おうとしている場合じゃない!と考えた方がよさそうです。
年賀状に修正テープを使うことが許せるケースはある?
一枚分のハガキ代を出し渋るつもりはないけれど、この一文字だけはなんとかごまかしたい…!
年賀状はぴったりの枚数しか用意していなかったし、今からなんてとても買いに行けない…!
マナーは重々承知でも、そこをなんとか!と言いたくなることだってあるかもしれませんね。
失礼にあたることには変わりありませんが、どうしてもの「非常時」に修正テープが許されるかどうか、ちょっと考えてみましょう。考慮すべきポイントは2つです。
ポイント①書き損じた場所
年賀状で、あなたが書き損じてしまった場所はどこでしょうか?
まず、表書きの場合。修正テープを使うなんてあり得ません!
常識的に考えて、表に書く相手の住所、ましてやお名前を間違えるだなんて、言語道断。
修正テープを使っても、間違えたことは相手にバレバレ。とても失礼にあたります。
続いて、裏面。自分の氏名・住所や添え書きしたメッセージの場合。
自分の氏名や住所を間違えることはあまりないでしょうけれど、とはいえ表書きを間違えることに比べればまだマシかもしれません。
ただ、マシだからといって修正テープを使うのはちょっと待った!もう一つ考慮すべきポイントがあります。
ポイント②相手の性格やあなたとの関係性
その年賀状を受け取る相手がどういう性格か、ご存じでしょうか?
例えば、真面目で几帳面な人に、修正テープを使った年賀状を送るのは危険です。
そういう人は、ご自身が年賀状に修正テープを使わない主義だったりする可能性が高いからです。
逆に、とても大らかな人であれば、気にしなかったり、笑って許してくれるかもしれません。
ただし、同居しているご家族に見られたとき、どう思われるか、どんな会話になるかという予想はしにくいと思います。
絶対大丈夫という確証が持てないのであれば、やめておいたほうがいいでしょう。
また、相手とあなたの関係性はどういうものでしょうか?
例えば、上司や先輩、義理のご両親のような目上の人や、職場の人たち。この場合は、表書きでなくとも修正テープは使わず、新たに書き直すべきでしょう。
年配の方ほど、マナーをしっかり身に着けておられるものです。こちらも大人としての振る舞いをしましょう。
職場の同僚の場合、プライベートでも遊びに行くほど気心が知れている相手もいるかもしれませんね。
しかし、あくまでも関係性のベースは仕事のはず。お互いに気持ちよく仕事をするためには、波風は立てないように。次の一年も平和が一番です。
そうではなく、普段からふざけあったりできるくらい親しい友人であれば、一文字や二文字くらいはご愛敬、となるかもしれません。
SNSでネタにしてしまえるかもしれませんしね。
ただし、「親しき中にも礼儀あり」です。どうか慎重に判断してくださいね。
修正テープはどう使えば気にならない?
書き損じた場所が表書きでなく、受け取る相手が寛大な性格で、あなたと大の仲良しである。
この条件であれば、年賀状に修正テープを使っても許されるかも…?というところまでは考察しましたね。
では、実際に年賀状の書き損じを修正するときに、何を使えばいいかを考えましょう。
まずは、修正テープ。特徴の【3点】をまとめてみました。
修正テープの特徴【3点】
- 乾くまで待たなくてよいので手軽に使える
- はがきとは色味が合わないことがある
- 配達途中に剥がれたり、他の年賀状にくっついたりする
コピー用紙と違い、年賀状は再生紙で作られているため、白地といえど、少し黄色がかっています。
対して、修正テープは真っ白。年賀状に使うと色味が合わないため、悪目立ちしかねません。
普段使いする分にはとても重宝する修正テープ。でも、年賀状には使わない方がよさそうですね。
続いて、修正液。特徴の【3点】をまとめてみました。
修正液の特徴【3点】
- はがき用の修正ペンがある
- 薄く塗れる筆ペンタイプが使いやすい
- 書き直しの際によく乾かすこと
修正テープで紹介した色味の問題ですが、はがき用の修正ペンは液の色がはがきに馴染みやすくなっています。
液の色が合う場所にうまく使えば、小さい箇所の修正なら目立たなくできるでしょう。
ただ、修正液は書き直しの際に文字がにじみやすかったり、こすれてしまったりという弱点があります。
修正後はしっかり乾かし、書き直した後もさらに充分乾かすようにしましょう。
また、修正テープとは逆の発想の文房具も存在します。砂消しゴムや、油性ボールペン用の消しゴムです。
上から重ねる修正テープとは違って、紙の表面を削って間違いを消すという文房具です。色味に悩むことはありませんね。
ただし、その性質上、不用意に使うと年賀状がボロボロになってしまうことも。
一部だけとはいえ、ボロボロになった年賀状では投函しにくいため、綺麗に消すコツを掴むまでは、他のはがきで練習した方がいいのかも…。
ここまで紹介しておいて言うのもなんですが、綺麗に修正するのも相当な手間ですね。
年賀状で修正テープを使ってしまった場合
でも、手書きをする以上書き損じてしまうことはあります。仕方ありません、人間だもの。
そして、先述した絶対だめな箇所に、絶対だめな相手に、「いやもう修正テープを使ってしまったんです…。」という場合もありますよね。
大丈夫です、落ち着きましょう。簡単です。新しい年賀状に替えて、最初から改めて書きましょう。
というか、修正テープの跡を残してはいけないのなら、これしか方法はありません。
年賀状1枚の値段は63円(税込)。63円(税込)をケチるか、相手をモヤっとさせるか。さぁどちらを選ぶ?…なんて、大人なら迷うまでもないですよね。
相手を立てる気持ちがあるのなら、修正テープは潔く諦めて、もう一度気持ちを込めて書き直しましょう。
では、書き損じた年賀状はゴミ箱へ行くしかないのでしょうか?
そんなことはありません。年賀状も大事な資源。地球に優しい人は周りにもやさしい。ということで、有効活用しちゃいましょう!
郵便局で交換できる
書き損じた年賀状を郵便局に持っていけば、新しいものと交換してもらうことができるんです!
手数料は1枚あたり5円かかりますが、新しい年賀状を買いなおすよりはずっとお得です。
他にも、普通のはがきや切手など、年間を通して使えるものに替えてもらうこともできます。
これは、年賀状に限らず、普通のはがきやレターパックのような特定封筒などにも適用される制度なんです。
普段からどんどん活用していきましょう!詳しくは、日本郵便のホームページで調べるか、最寄りの郵便局で相談してみてくださいね。
また、少し話は違いますが、急遽喪に服すことになったために、買っておいた年賀状がまるまる不要になってしまった…。
このような場合に限って、未使用の年賀状であれば手数料なしで、はがきや切手に交換してもらえるそうです。
ありがたい制度ですよね。私の実体験で、12月の半ばに親戚が亡くなったことがありましたが、その時に持っておきたかった知識です。
懸賞に応募できる
交換しに行くのも面倒!なんて人は、懸賞はがきとして使う方法もありますよ。
書き損じの年賀状や、予備として用意していた年賀状も懸賞に出してしまいましょう!
ちょっとびっくりするような再利用方法ですが、意外とアリなんです。
基本的に、懸賞はがきは大量に集まるもの。担当の方が年賀状かどうかを一枚ずつチェックしているとはちょっと考えにくいですよね。
また、普通のはがきと比べて、年賀状は華やかなデザインのものが多かったり、写真を使っていると表面が加工されてツルツルしていたりします。
応募が極端に少なければ抽選の対象から外れてしまう場合もあるかもしれませんが、大量に集まった懸賞はがきの中での年賀状はかなり目立つんです。
懸賞にあたりやすくするために、はがきを目立たせるテクニックがあるくらいです。
うまく使えば年賀状はかなり有利ですよね。年賀状で応募した懸賞に当たった話も聞きますので、試してみる価値は大いにありますよ。
年賀状を懸賞に使う場合は、「年賀」の部分とお年玉くじの部分を、二重線もしくはシールで隠すこと。
最低限これだけをやっておけば、いつでも出してOKですよ。
まとめ
- 年賀状に修正テープを使うのはマナー違反
- 年賀状は、新年の挨拶に伺う代わりと認識して書こう
- 書き損じたら新しいはがきに書き直そう
- 特に住所や氏名の書き損じは絶対にダメ!
- どうしても修正テープを使いたいなら、相手をよく選ぶこと
- 修正テープを使うときは、年賀状に適したものを選ぼう
- 書き損じた年賀状は、交換したり懸賞に使ってみよう
年賀状は、修正テープを使わなくてもいいように、書き損じても大丈夫なように、予備をきちんと用意しておきましょう。
余っても書き損じても、年賀状は郵便局で交換してもらえますし、懸賞に使ってもOKです。損をすることはありません!
新年の挨拶を伝える年賀状。相手が受け取ったとき、どういう気持ちになってほしいですか?
お互いに気持ちの良い一年にするためにも、素敵な年賀状に仕上げたいですね。
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