生ゴミは家庭ごみの約4割を占めるといわれています。
他のゴミと比べてすぐに処理しなければ、においが気になりますし、虫が湧くこともあります。
そんな生ゴミの処理に、頭を悩ませているのは私だけではないはずです。
そこで思いつく方法の1つが生ゴミを土に埋める事ではないでしょうか?
適切な深さで埋めることで、においや虫を抑え家庭菜園で使う堆肥(たいひ)にすることもできます。
しかしやったことがなければ、どのくらいの深さで埋めるのが最適なのかよくわかりませんよね?
においや虫を防ぐことを考えると、深さ20~30cmほどで埋めるのが最適です。
そこでどんな風にして埋めるのが最適なのか、生ゴミを埋めて堆肥にする方法も含めてご紹介したいと思います。
生ゴミを埋める深さは20cm以上が最適!虫も防げる!
生ゴミを埋めるなら、最適な深さは20~30cmです。
大きいものは、小さくカットして埋めると短い時間で分解されやすくなります。
庭や畑に埋めるなら、日当たりの良い場所を選び適切な深さで穴を掘り、生ゴミを入れます。
生ゴミと土をよく混ぜて、堀った土をかぶせます。
乾いた土でおおう事でより、においや虫を防ぐことができます。
埋めた場所を猫などの動物に荒らされる心配があるなら、シートをひいたり重石を置いたりするなどの対策をしましょう。
埋める場所によって多少前後しますが、分解される時間の目安は冬が2週間、夏なら5日くらいです。
また、マンションなどで庭がなくても、大きな植木鉢やプランターでおこなう事もできます。
この場合は、底にある程度土を敷き同じ方法で埋めて乾いた土をかぶせます。
私も年末年始などで、ゴミの日まで何日も日があいたときに、においや衛生面が気になり庭に埋めて処理することがあります。
分解されやすいように細かくして適切な深さに埋めると、においが外にもれることがなく処理できています。
生ゴミを土に埋めると肥料や堆肥が作れる!
生ゴミを処理したいだけなら、適切な方法で埋めてしまえばOKです。
生ゴミを土に埋めることのもう1つのメリットは、家庭菜園用の肥料や堆肥(たいひ)として再利用できることです。
堆肥とはより植物を育てやすい状態に改良した土のことです。
埋めることで生ゴミを衛生的に処理出来て、家庭菜園にも利用できるのなら一石二鳥ですよね。
庭や畑があれば手軽にできますし、庭がなくてもプランターや段ボールを使って作ることもできます。
今後も生ゴミを減らすことを考えて、堆肥作り用の専用容器を購入したり生ゴミ処理機を購入したりするのもおすすめですよ。
堆肥作りで気を付けること
まず、生ゴミを埋めることで堆肥を作る際に気を付けるポイントをおさえておきましょう。
生ゴミで堆肥を作る際に気を付けたいポイント
- できるだけ細かくカットする
- 水分が多いものは水気をしっかり切る
- 塩分の多いものはしっかり水で流して塩分を落とす
- 腐ったものを入れない
- 堆肥づくりをしている容器や庭に掘った穴に見合った量の生ゴミを入れる
生ゴミの中には、分解されにくいものもあります。
以下の分解されにくいものは堆肥作りの際には入れないようにしましょう。
入れない方がいい生ゴミ
- 梅干しの種
- 桃の種
- 鳥の骨
- 貝殻
- トウモロコシの芯や皮
入れない方がいい生ゴミはかたくて、分解されるのに時間がかかってしまうものです。
細かくカットしたり砕いたりすれば問題ないこともありますが、梅干しの種や貝殻など砕くのは少し大変ですね。
無理に投入すれば分解に時間がかかり、堆肥が完成するのに時間がかかってしまいます。
これらの生ゴミは、堆肥作りの際は入れない方が良いでしょう。
そして、できあがった堆肥を使う際は、必ず同量の土と混ぜて使ってください。
なぜ同量の土が必要なの?
そのまま使うと、栄養がありすぎて作物が枯れてしまうんだよ!
堆肥として使うために作ったのに、適切な使い方をせずに作物を枯らしてしまったらもったいないですよ!
生ゴミを庭に直接埋めて作る
畑や庭に直接穴を掘る方法が1番簡単です。自宅に埋められる広さの庭や畑をお持ちの方に、おすすめです。
生ゴミを畑や庭に直接埋めて作る手順
- まず生ゴミが入る分の穴を深さ20~30cmほど掘る
- 生ゴミを穴に投入して上から土をかぶせる
- 土をブルーシートで覆い、四隅に重い石を置き風で飛ばないようにする
- 1週間~2週間ほどたち生ゴミが分解されたら完成
投入したい生ゴミの水分が多いときは枯れ葉やぬかを使って調節してください。ぬかには発酵を進める効果もあります。
この方法なら、庭や畑の面積の分だけ作れるので手軽にたくさん作ることができます。
冬場なら空いている畑を利用して、たくさん作れるのでいいですね♪
堆肥をプランターで作る
マンションなどで庭がなくても作れる方法です。
まずプランターに入る土の体積の3分の1程度の生ゴミを用意します。
生ゴミが出る量は家庭によって違うと思いますので、必要な量になるまで密閉容器に入れてためておきましょう。
生ゴミの保存の際に米ぬかを混ぜておけば、夏場でも10日ほどは腐らずにとっておけます。
堆肥をプランターで作る手順
- シートに土と生ゴミをあけ、土と生ゴミと空気をよく混ぜる
- 混ぜながら米ぬかも加えていく
- プランターに戻し雨除けのため上に新聞紙などを被せさらに上からシートや板などを乗せる
- 1日~2日後、発酵が進むと熱が発生するので暖かくなっているか確認する
- 3日たったらシートにあけ、空気と混ぜるようによく混ぜてプランターに戻す
- 5の作業を1週間おきに繰り返す
- 約1ヵ月で完成
この方法なら、庭のないマンションやアパートにお住いでも簡単に堆肥作りができます。
作れる量は多くはありませんが、ベランダ菜園に使う量であれば十分ですね♪
堆肥を段ボールで作る
時間はかかりますが、1度にたくさんの量の堆肥を作れる方法です。
容器は段ボールなどしっかりした箱であればOKです。
段ボールで作る手順
- 腐葉土を段ボールの半分位入れる
- 米ぬかを腐葉土の4分の1程度入れてよく混ぜる
- 1~2日程度置く
- 温度計を差し40~50℃になったのを確認する
- 米ぬかと和えておいた生ゴミを投入する
- 生ゴミと土をしっかりと混ぜる
- 段ボールの底の通気性確保のため木材などを置きその上に乗せる
(床から5cm程度離す) - 雨が当たらない日当たりの良い場所で保管する
- 3か月~半年ほど定期的に米ぬかと和えた生ゴミを投入する
- 混ぜてみてダマが多くなってきたら厚手のビニール袋に入れさらに2~3ヵ月熟成させる
- 生ゴミの形がなくなり色が黒くなれば完成
腐葉土はホームセンターや100均で購入できます。
米ぬかは煎ったものではなく、必ず生のものを使用してください。
虫よけのために、熟成中は段ボールの上に布をかぶせておくと良いでしょう。
腐葉土と米ぬかを混ぜて1~2日置いても温度が上がらない場合、腐葉土と米ぬかの分量が間違っていないか、水分は適正か確認してみてください。
適切な水分量は60%です。手で握ったときに湿り気を感じる程度が目安です。
土を手で握ったときに水が垂れてくるようなら、水分が多すぎて発酵が進みません。
水分量を適切にするため、腐葉土の量を増やしましょう。
逆に土が乾いているようなら、適切な湿り気になるように水か米のとぎ汁を加えてください。
生ゴミを投入する期間は、生ゴミの量が多ければ3ヵ月程度、少なければ4~6ヵ月程度です。
各家庭によって、生ゴミの量が違うので完成するまでの時間が結構変わりますね。
我が家の場合は半年くらいかかっちゃいます(笑)
初めて作るときは、判断が難しいのですがダマが増えてきた頃が次の工程へ移行するタイミングですよ~♪
最低でも週に1回は全体をかき混ぜて、ダマが多くなった頃合いをみてビニール袋へ移しましょう。
コップ一杯の水に大さじ1杯位入れてみて、土が底に沈めば完熟したという目安です!
堆肥を専用容器で簡単に作る
今後も肥料や堆肥を定期的に作りたいなら、専用の容器も売られているので購入を検討するのもいいかもしれません。
市販の専用容器と専用の発酵剤などを購入すれば、さらに手軽に作る事ができます。
生ゴミを堆肥にするのは「コンポスト」といい、コンポスト容器やコンポスト用発酵促進剤という名称で販売されています。例えばこちら。コンポストバックです。
また、少しお値段ははりますが一番簡単なのは生ゴミ処理機を使う事です。
こちらは、家庭用生ごみ減量乾燥機 です。
生ゴミ処理機は各自治体で購入助成制度があります。
助成内容は自治体によって異なりますので、お住まいの自治体のHPなどで確認してみてくださいね。
生ゴミ処理機だけ助成金がでる自治体もあれば、コンポスト容器も助成対象になる自治体もあるようです。
購入前の相談や申請が必要な自治体もありますので、必ず購入前に確認してくださいね。
助成制度を利用すればお買い得で手に入っちゃいますね♪
生ゴミを土に埋めると分解されるのはなぜ?
ここまで、当たり前のように生ゴミを埋めることで土と混ぜたら分解されると説明してきました。
しかし、そもそもなぜ生ゴミと土を混ぜたら分解されるのか、その仕組みまでは分からない人が多いのではないでしょうか?
生ゴミを分解してくれるのは、土の中にいる微生物です。
普段は日の目を見ない微生物たちですが…。陰ではものすごい働きをしてくれるのです!
生ゴミを土に埋めると、地中の微生物が酸素を使って生ゴミを水や二酸化炭素に分解します。
先ほどの堆肥を作る工程でも、「よく混ぜる」という工程がありましたが、これは微生物の分解作業に酸素が必要だからです。
よく混ぜることで、微生物と生ゴミが触れる表面積が増え分解が進みやすくなる効果もあります。
生ゴミに残っていた栄養が微生物のエサになり、微生物が食べた後は二酸化炭素と水分になって排出されます。
微生物はたくさん美味しいご飯を食べることができて、人間にとってもゴミを減らしにおいやコバエの発生を防ぎ、堆肥として再利用もできる。
生ゴミを土に埋めるのは、メリットだらけのエコな処理法だといえますね。
まとめ
- 生ゴミを埋めるなら深さは20~30cmが最適
- 生ゴミは適切な深さで土に埋めると堆肥として再利用できる
- 生ゴミの堆肥化は庭に埋めたりプランターに埋めたりすればすぐに手軽にできる
- 身近にあるものでたくさん堆肥を作りたいなら段ボールで堆肥作りができる
- 堆肥作りを簡単にするなら専用の容器や生ゴミ処理機で作れる
- 生ゴミ処理機を購入するなら自治体の補助金制度を利用すると良い
- 生ゴミが分解される仕組みは微生物の働きによって分解されている
生ゴミを庭などに埋めるなら適切な深さ20~30cmに埋めて処理してくださいね。
埋めて処理するなら、家庭菜園の堆肥としても役に立ちます。
衛生的に処理できて一石二鳥なので、ぜひ堆肥作りにもチャレンジしてみてくださいね。
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