習字の筆を持ち帰り、家の台所や洗面台で洗っているご家庭も少なくないと思います。
そんな習字の筆を洗う際の悩み…。それは、筆を洗い終わったあと、シンクや洗面台の中がうっすら黒ずんでいること…!
洗面台の中だけならともかく、洗い方が豪快であるほど、壁や床、服に墨混じりの水が飛び散っている。なんてことも…。
そこで洗い方を変えて注意深く洗おうにも、絶対に小さい面積で終わることなく広がってしまうのです。(不思議…)
掃除の手間が増えるのは正直、いやかなり困りもの。墨は落ちにくいのですよね。
そこで、習字の筆のベスト洗い方!として、ペットボトルを使うワザをお教えします。
ペットボトルを使うと習字の筆を簡単に洗えて節水ができてエコ、さらに洗面台の掃除も楽になる、と良いこと尽くめ。
メリットたくさんのペットボトルを使った筆の洗い方、ぜひご確認を!
習字の筆の洗い方はペットボトルでストレスフリー!
帰宅して、習字の授業で使った筆をきちんと洗う小学生。それだけでとっても立派ですよね。
でも、豪快な筆洗いの後で洗面所を見てひぇぇと声をあげたくなるのも、大人の本音だったりするのです(笑)
とはいえ、筆洗いの後にうっすら汚れた洗面台の掃除までやりなさい!とただ言うのは、小学生にはちょっと酷かもしれません。
そもそも、汚れたことにまったく気付いていなかったりする…。
そして水を流すだけでは「すみ」は取れない。
となれば、最初から掃除がいらないような洗い方をすれば良いのです。
習字の筆の洗い方のおすすめは、ペットボトルの中で洗うことです。
ペットボトルを使った洗い方にはメリットがたくさん。早速確認していきましょう。
ペットボトルで洗うことのメリット
まず、ペットボトルで習字の筆を洗うことについてのメリットを確認していきます。
ペットボトルで習字の筆を洗うメリット
- 節水ができる
- 穂先が乱れない
- シンクや洗面台が汚れにくい
- 周囲に洗った水が飛び散りにくい
流水でなく、ためた水で洗うので、家計と環境にやさしい節水効果がありますね。
また、流水で洗うよりも筆の穂先が乱れず、傷みにくくなるというメリットもあります。
最大のメリットは、台所のシンクや洗面台を汚しにくくなるという点でしょうか。
水洗いできるシンクや洗面台ならまだ良いです。
最も避けたいのは、周りの壁や布製品にまで墨が飛び散ってしまうこと。
古墳時代に墨で描かれた壁画は、1000年以上を経た現代にまで色あせずに残っています…。
古墳の壁画の例からも、墨がいかに落ちにくいかが分かりますよね。そして我が家に壁画は不要です…。
壁画を断固阻止するためにも、ペットボトルを使った洗い方を紹介します!
ペットボトルを使った筆の洗い方
まず、中を洗ったペットボトルを用意して、ぬるま湯を入れます。
500mlのペットボトルなら、4分の1くらいで良いでしょう。
ぬるま湯の中に筆の穂先を入れ(注意深く)、筆を優しく振り洗いします。
水が真っ黒になったら新しいぬるま湯に入れ替え、水が汚れなくなるまで繰り返します。
汚れた水を流すときは、ペットボトルの口を排水口ギリギリまで近づけてくださいね。ここはもはやあなたのテクニックにかかっています!
ひどく汚れている筆でなければ、水替え5回前後で水が汚れなくなるはずです。
汚れなくなったら、仕上げに流水を筆の軸(筆管(ひっかん)というそうです)に当てて穂先を優しくもみ洗いし、形を整えて乾かします。
乾かすときは筆が傷まないよう、風通しの良い日陰で、できれば穂先を下にして吊るしてくださいね。
ペットボトルを使ったもっと簡単な筆の洗い方
ペットボトルの中で振り洗いをする方法を紹介しましたが、筆につきっきりになる時間がない!他の作業と並行して筆洗いしたい!という場合もあるかもしれません。
他の作業と並行させたいときにおすすめなのが、筆をつけ置き洗いする方法です。
用意するのは、洗いたい筆とペットボトル、洗濯ばさみの3点。
まず、先ほどと同じようにペットボトルにぬるま湯を入れ、筆を底に付かない高さに持ちます。
そして、筆菅に洗濯ばさみを取り付け、手を離すと、このようになります!
このまま少しつけ置きすれば墨が溶け出してきますので、新しいぬるま湯に入れ替え、同じようにつけ置き。
数回繰り返して水が汚れなくなったら、仕上げに流水で洗って穂先を整え、完了です。
振り洗いをするより時間はかかりますが、他の作業をしながら洗えるのが何よりの利点。
最初の1、2回だけ筆を振り洗いすると時短になりますので、様子を見ながらやってみてくださいね。
ペットボトルを使った筆の洗い方の注意点
ペットボトルを使った、簡単便利な筆の洗い方ですが、注意点が四つあります。
一つ目は、繰り返しになりますが、ペットボトルの口を排水口ギリギリに近づけて、汚れた水を捨てるようにすることです。
高いところからバシャバシャと流してしまうと、壁画が出現しかねません!
水はねを防ぐ意味でも、汚れた水はそっと流してください。
ちなみに洗面所を全く汚れないようにするという奇跡のアイデアは残念ながらありません
二つ目は、筆はなるべくペットボトルに触れないように振り洗いをすることです。
ペットボトルの底に筆を押し付けて洗えば、所要時間は短く済みますが、筆の寿命も短くなります。
筆の穂先は、毛の根元をのりで固めただけの簡単な作りです。
ペットボトルで洗うときに、穂先を底にグリグリ押し付けたり、筆菅をフチにガシャガシャ当てたりすると傷んでしまうのです。
筆の寿命を延ばすためにも、振り洗いを心がけてください。
三つ目は、仕上げに流水で洗う際、筆菅に当てる水圧は弱めにすることです。
理由はお察しの通り、流水の水圧が強いと、水は簡単に飛び散るからです。
せっかくペットボトルで水はねを防いできたのですから、最後の最後で台無しにするわけにはいきません。
四つ目は、筆は完全に乾かしてからしまうことです。
ペットボトルで洗うときに限りませんが、筆をぬれたまましまうとカビが生えたり、毛が腐ったりする可能性があるため、要注意です。
習字の筆は洗わない方がいい!?小筆と大筆の違い
ペットボトルを使った簡単な洗い方を紹介しましたが、先に紹介したものは大筆の洗い方になります。
習字では、大筆と小筆(太筆と細筆とも呼びます)の二種類を使い分けますが、大筆と小筆では洗い方も異なります。
習字の小筆は、基本的に水で洗わない、が正解なのです。
新聞紙や書き損じの半紙(反故紙(ほごし)というそうです)などで、筆に残った墨を拭き取ります。
その後、ティッシュを水でしめらせるか反故紙の使っていないところに水をたらし、さらに残った墨を拭き取るようにします。
拭き取るときは、穂先をそろえることを意識して筆を動かしてくださいね。
小さな文字を書く小筆は穂先の3分の1程度しか使わないので、筆ののりが落ちないように、水で洗わないようにしましょう。
穂先を整えた後に風通しの良い日陰に吊り下げて完全に乾かすのは、大筆と同じです。
大筆は洗わないままだと次の習字の授業で大変な目にあいますが、小筆は洗わないままでも意外と使えるものなのですね。
だからといって小筆も手入れは必要です。サボらないように!
習字の筆を洗ったあとの汚れ対処法
ここまで、習字の大筆と小筆の洗い方を紹介してきました。
でも、ペットボトルを使って墨が飛び散らないように工夫しても、完璧に汚れを防ぐことは難しいですね。
習字の筆と共に洗いたいシンクや洗面台、墨でうっかり汚れた服を洗濯する方法を調べてみました。
墨で汚れたシンクや洗面台を掃除する
そもそも水道水にはミネラルが含まれており、シンクや洗面台には常にこのミネラルがこびりついている状態になります。
シンクや洗面台は、水道水を流しているだけで、ある意味汚れているのですね。
そのミネラルが墨で黒く染まるため、シンクや洗面台が黒ずんで汚れたように見えるのです。
シンクや洗面台の墨汚れをきれいにするには、メラミンスポンジを使うと簡単です。
墨汚れを落とすということは、こびりついたミネラルを落とすのと同じ。水でぬらしたメラミンスポンジでこするときれいになりますよ。
メラミンスポンジ以外では、重曹と布かスポンジ、という組み合わせもあります。
重曹の代わりに歯磨き粉やスクラブの洗顔料を使う手段もありますね。
ちなみに、白い洗面台より、ステンレス製であるシンクの方が掃除をしやすいため、筆洗いは台所でするのがおすすめですよ。
墨で汚れた床を掃除する
フローリングや、洗面所の床材であれば、まだ掃除はやりやすいと言えます。
墨汁が床に飛んだりこぼれたりしたら、染み込まないうちに手早く拭き取りましょう。
拭き取っても墨が残っているなら、メラミンスポンジの出番です。
歯磨き粉と歯ブラシで対処しても良いですね。
ただし、完全に染み込んでしまった汚れには対応できません。
紙やすりで削る、などの方法が無くはないですが、床材によりますし、賃貸であれば難しいですね。
墨で汚れた壁紙を掃除する
壁紙まで汚さないためにペットボトルを使った洗い方を紹介したのですが、それでも万が一、うっかり汚してしまった場合。
墨は本当に落ちにくいので、とにかくスピード勝負となります。
墨が壁に飛んだら素早く拭き取ります。さらに薄めた中性洗剤などで拭くのが良いでしょう。
中性洗剤にやわらかいご飯粒をつぶして混ぜ、墨汚れに当ててこするという方法もあります。
ご飯粒で墨汚れを落とす方法は古くからある方法で、ご飯粒が墨の粒子をからめとってくれるのだそうです。
掃除の方法はあっても、壁紙をあまりゴシゴシこするとはがれてきますから、そういう意味でも壁は掃除が難しい場所です。
壁まで水が飛ばないよう、筆を洗うときに気をつけるのが最良でしょう。
墨で汚れた衣服を洗濯する
筆を洗うときの水はねもそうですが、習字の時間にうっかり服を汚しちゃった!なんて場合もありますよね。
習字は服じゃなくて半紙に書いてくれ!と心の中で絶叫しつつ、とにかく洗濯はしなくてはなりません。
基本は漂白剤でつけ置きをします。キッチン用と洗濯用、酸素系と塩素系、どちらでもかまいません。服の色や素材に適切なものを使ってください。
漂白剤が使えない衣服の場合、ご飯粒で対処します。
ご飯粒をつぶしてのり状にし、衣服にこすりつけて墨汚れを取るのです。
何度か繰り返すことで、汚れは目立たなくなります。
しかし、漂白剤でもご飯粒でも、完全にきれいになると言い切れないのが墨の恐ろしいところ。
一度のうっかりなら墨とも闘いますが、あまりに何度も服を汚すようなら、こちらのような、洗濯で落ちやすい墨汁を習字で使うのも良いかもしれません。
実は我が家はこちらを使用しています。
我が家は筆をペットボトルで洗うようになってからというもの、墨とびちり事件はめっきりと減りましたが、それだけではなかったのです。
それはある日習字の日の帰宅後。申し訳なさそうに娘が「習字つけられた…」と。
背中に「墨汁」が…!
後ろの席の子がつけてしまったようです。うーん、あり得ますね。それ以来習字の日は黒い洋服、後ろを気を付ける、というミッションを背負うことに…。
洗濯で落ちる墨汁はみんなに紹介したそうで、だんだんを増えていき、周りの使うようになったようです。
まとめ
- 習字の筆をペットボトルの中で洗うのは、節水ができて筆が傷みにくく、シンクや洗面台を汚しにくくなる洗い方
- 習字の筆の洗い方はペットボトルに注いだぬるま湯の中で振り洗いする
- 汚れた水を捨てるときは、ペットボトルの口を排水口ギリギリまで近づけること
- 習字の筆を振り洗いするときは、筆をペットボトルにぶつけないようにする
- 習字の小筆は基本的には水洗いしない
- 白い素材の洗面台より、ステンレス製のシンクの方が墨汚れは落ちやすい
- シンクや洗面台、フローリングの墨汚れはメラミンスポンジで落とす
- 壁紙や衣服の墨汚れは適切な洗剤か、ご飯粒で対処する
ただ習字の筆を洗うだけとはいえ、墨はかなり手強い相手です。
被害が拡大しないように、ペットボトルを使った洗い方をぜひ試してみてください。
筆を洗えたらそのまま、シンクや洗面台が乾く前にメラミンスポンジで掃除をすることまで、習慣づけられると良いですね。
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